縁結びのご祈祷
ご縁が結ばれる社、熊野大社。月に一度行われる縁結び祈願祭「月結び」や風の音が想いを運ぶ「かなで」の神事が毎年執り行われています。
神話の世界には、こんなことが記されています。世界の始まりのとき、最初に誕生した「むすひ」の神様。その後、自然の中から何かがもえあがってきます。そのもえあがるものは自然に形を整えて、やがて、一組の男女の神様になられます。イザナギノミコト(伊弉諾尊)イザナミノミコト( 伊弉冉尊)の誕生です。少し古い言葉で、誘うことを「いざなう」と表現しました。いざなう神様。誘いあう男女の神様。最初にご出現された男女の神様は、誘いあう男女の神様としてこの世に誕生されました。
熊野大社の神様、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)は、神話の中で一番最初に結ばれた男女の神様です。神話によれば、まず、男の神様である伊弉諾尊がこういいます。「あなにやし、えをとめを。」「ああ、なんと素晴らしい女性だろう。」これに対して、女の神様である伊弉冉尊がこう返します。「あなにやし、えをとこを。」「ああ、なんと素晴らしい男性だろう。」駆け引きも飾り気もない、シンプルで、素直な言葉。日本で一番最初に交わされたプロポーズです。熊野大社の神様は、日本で初めてプロポーズをして結ばれた神様、縁結びの神様です。
日本で初めて結ばれた夫婦の神様。伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)
その夫婦の神様はのちにたくさんの神様をお生みになり日本の国を造ります。二柱の神様が結ばれたプロポーズの言葉は日本人の理想の生き方として伝えらえています。
熊野大社の本殿裏に、うさぎが三羽隠し彫りされています。いつ頃か定かではありませんが、うさぎを三羽見つけた人が恋や願い事が成就したことから「願いが叶う」「幸せになれる」と言い伝えれています。また、一説には、雨上がりの満月の日、水面に浮かんだ月にうさぎが映しだされ、風で揺れる月とうさぎの姿から「波にうさぎ」と呼ばれるようになったともいわれています。最後の三羽目を人から聞いたり、場所を教えてしまうとご利益がなくなるともいわれている当社に古くから伝わる伝説です。